【7月10日 CGTN Japanese】中国国家天文台の科学研究チームはこのほど、中国が独自に開発した天体望遠鏡「郭守敬望遠鏡(LAMOST)」の中解像度のスペクトルを用いて、リチウム元素の含有量が極めて多い未進化の恒星「スーパーリチウムリッチ矮星(わいせい)」を一挙に9個発見しました。この発見は、スーパーリチウムリッチ矮星のリチウム元素の起源や進化メカニズムの解明に重要な科学的意義があるとみられています。

 巨星まで進化していないスーパーリチウムリッチ矮星は希少なもので、これまでに各国の天文学者らは4個しか発見していませんでした。中国の研究者が今回発見した9個のうち1個のリチウム元素含有量は太陽の31倍に達し、この種の恒星のリチウム元素含有量の記録を更新したとのことです。

 リチウム元素は、宇宙が138億年前の大爆発によって誕生してから20分以内に出現しました。宇宙を構成する基本元素の一つであり、ビッグバンや星間物質、恒星を研究する上で鍵となる元素とされています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News