【7月7日 AFP】北欧スウェーデンのマグダレナ・アンデション(Magdalena Andersson)首相は6日、左派議員グループがトルコの反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」などの旗を持って写真撮影に臨んだとして非難した。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、北欧スウェーデンとフィンランドが北大西洋条約機構(NATO)加盟申請に先立って受け入れた、PKK関連の容疑者らの引き渡しを含む合意事項を履行しなければ、両国の加盟実現を阻止できると警告している。

 エルドアン氏はかねて、北欧2国がPKKなどの活動拠点になり、「テロ」の助長につながっていると指摘していた。

 しかし5日、スウェーデンのNATO加盟申請に反対していた左翼党の議員グループが、トルコがテロ組織に指定しているPKKやクルド人民兵組織「クルド人民防衛部隊(YPG)」、「クルド女性防衛部隊(YPJ)」の旗を手にして撮影した画像がSNSで拡散した。画像は、バルト海(Baltic Sea)に浮かぶゴトランド(Gotland)島で毎年開催されている政治集会で撮影された。

 アンデション氏は「PKKはスウェーデンだけではなく欧州連合(EU)でもテロ組織に指定されている。このような旗を持って写真に納まるのは言語道断だ」と、スウェーデン通信(TT)に語った。

 これに対し、撮影に加わった左翼党のロレナ・デルガード・バラス(Lorena Delgado Varas)議員はツイッター(Twitter)で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」掃討作戦に当たり、他の党がクルド人武装組織を支援したのは偽善だったと糾弾。「今は手のひらを返して独裁者エルドアン(大統領)にすり寄っている。すべてはNATOに加盟したいがためだ」と皮肉った。

 左翼党は、アンデション氏率いる与党・社会民主労働党に閣外協力している。(c)AFP