「セックス・ピストルズ」展 シド・ヴィシャス破壊のホテルも再現 英
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【7月17日 AFP】1970年代のパンクブームの先駆者となった「セックス・ピストルズ(Sex Pistols)」の公式カメラマン、デニス・モリス(Dennis Morris)氏(62)の写真展「シド:スーパーマン・イズ・デッド(SID: Superman is Dead)」が英ロンドンで開かれた。
没入型の展覧会では、ピストルズのベーシストだった故シド・ヴィシャス(Sid Vicious)が1977年に破壊したホテルの部屋も再現されている。乱れたベッド、床に散乱した写真フレームのガラス、破られた聖書、破壊されたテレビ。サイドテーブルには、薬物の吸引具なども置かれている。
「シドについて書かれているものを読むと、非常に暴力的な人間だと思うかもしれないが、実際はとても穏やかで内気だった」。ロンドン中心部にある「ロックの殿堂ギャラリー(Rock ’n’ Roll Wall of Fame Gallery)」で、モリス氏はAFPに語った。
ヴィシャスは「生き急ぐ」という言葉を体現するように、21歳の時に米ニューヨークで薬物の過剰摂取により死亡した。恋人のナンシー・スパンゲン(Nancy Spungen)を刺殺したとして起訴されてから数か月後のことだった。
■シドは「無実」
「シドの問題は、14歳の時に母親からヘロインを与えられたことだ。死に至らしめたヘロインも母親から渡されたものだった」とモリス氏は言う。
恋人の死後、悪名高いニューヨークのライカーズ島(Rikers Island)の刑務所から保釈されたヴィシャスは、再び刑事施設に戻されるのではとおびえていたという。
モリス氏によると、「有名人だったシドは、(刑務所内で)何度もレイプされ、保釈されると母親に『刑務所に送り返されるのだけはごめんだ』と懇願した。そうして母親が手に入れた薬物で、命を落とすことになった」
モリス氏はヴィシャスの無実を信じている。お気に入りの写真の一枚は、楽屋でスパンゲンが温厚そうなヴィシャスに熱心に話し掛けている時のものだ。「シドがあんなことをするはずがない」とモリス氏は話した。