【7月6日 AFP】欧州議会(European Parliament)は6日、天然ガスと原発への投資は持続可能な事業と分類する欧州連合(EU)欧州委員会の案を承認した。

 採決の結果、賛成が328票、反対は278票だった。棄権は33票。

 この分類はEU内で「タクソノミー」と呼ばれている。

 EU議長国を務めるチェコのペトル・フィアラ(Petr Fiala)首相は採決を前に、欧州委案について「こうした基準がなければ気候(変動抑制のための)目標を達成できないとみられる複数の国のためのものだ」と述べた。

 天然ガスと原発への依存に反対する少数だが影響力の強い加盟国や環境活動家は、欧州委案を否決するよう欧州議会に強く働き掛けていた。

 天然ガスをタクソノミーから除外すべきだと主張する勢力は、理由の一つにロシアによるウクライナ侵攻を挙げている。天然ガス分野への投資を推奨すればロシア産ガスへの依存拡大につながりかねないからだ。一方、反原発派は、事故や核廃棄物の危険性を指摘する。

 これに対し、欧州委は、原発を推進するフランスと天然ガスへの依存度が高いドイツの圧力を受け、EUが目標とする温室効果ガスの排出実質ゼロを実現するまで移行期間に、相対的に排出量が少ない電力源として、天然ガスと原発を利用すべきだと主張している。(c)AFP