【7月7日 Xinhua News】中国と米国の科学者がジャイアントパンダの祖先の「第6の指」の化石を調べた結果、パンダが少なくとも600万年前から竹を食べていたことを発見した。研究成果はこのほど、国際科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表された。

 前足に5本の指がある他の哺乳類と異なり、パンダには「第6の指」がある。前足首にある肥大化した橈側種子骨(とうそくしゅしこつ)で、親指がもう1本あるようにも見える。「第6の指」はパンダが前足で竹を握ったりつかんだりするのに役立っている。

 古生物学者らが雲南省(Yunnan)昭通盆地の水塘壩で見つかった「始熊猫」(学名:Ailuaractos Lufengensis)の化石を調べた結果、今から600万~700万年前の始熊猫には既に「第6の指」があり、その長さは現代まで伸びていないことを発見した。

 発表された論文によると、パンダの「第6の指」は人間の親指のように独立して動くのではなく、関節の固定によって第1中手骨、舟状骨と複合体を形成し、その他の掌骨と連動している。受動的な握り方ではあるが、竹を食べるために必要な握力は充分あるという。

 中国科学院昆明動物研究所の吉学平(Ji Xueping)研究員は「ジャイアントパンダは橈側種子骨をさらに長いものに進化させず、小さくて平らな形状を常に保ってきた。まるで竹が手から滑り落ちないようつかむための特別な設計のようだ」と話した。

 専門家は、橈側種子骨の肥大化はパンダが竹を食べるための適応進化だが、「第6の指」が伸びなかったのは竹や笹をつかむ機能と体重を支える機能を両立させ、大きくなりすぎた橈側種子骨が歩行に支障を来すのを避けるためだったと指摘している。(c)Xinhua News/AFPBB News