【7月6日 AFP】ウクライナの穀物を積載している可能性のあるロシアの貨物船が、トルコ北西部カラス(Karasu)港沖の黒海(Black Sea)に先週から停泊しており、トルコ当局の拘束下にあるとの見方が浮上している。

 ウクライナ側は、貨物船「ジュベク・ジョリ(Zhibek Zholy)」が、ウクライナから接収した小麦を積載し、ロシアが占領するウクライナ南部のベルジャンシク(Berdyansk)港を出港したと主張している。

 北大西洋条約機構(NATO)加盟国でありながら、ロシア・ウクライナ両国との関係維持に努めているトルコは、この問題で公式な声明を出していない。だがウクライナの駐トルコ大使は、自国の国営テレビに対し、貨物船はトルコ沿岸警備隊の拘束下に置かれたと述べた。

 問題の発端は、ウクライナ南東部の親ロシア派当局者が、2月のロシアによるウクライナ侵攻後初めて、黒海経由の穀物輸出を正式に開始したと発表したことだった。

 ウクライナは穀物が盗まれ、ロシアの戦費調達に充てられていると非難する一方、ロシア側はウクライナ政府資産の「国有化」を進め、地元農家からは穀物を購入すると表明している。
 
 ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は4日、報道陣に対し、問題の貨物船が目的地に到着していないと認め、「状況を調べる必要がある」と述べている。(c)AFP