【7月4日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は4日、内閣改造を発表した。先月の下院選では、与党連合が過半数を大幅に割り込んでおり、2期目の政権運営に向け新内閣で新たな出発を図る。

 先の組閣で連帯・自立・障害者相に任命していたダミアン・アバッド(Damien Abad)氏をめぐり、性的暴行疑惑が浮上し退任を求める世論の圧力が強まったことを受けて、同氏を交代させた。後任には、仏赤十字(Red Cross)代表のジャンクリストフ・コンブ(Jean-Christophe Combe)氏が選ばれた。

 また保健相には、救急医のフランソワ・ブロン(Francois Braun)氏が任命された。これ以外は小規模な改造にとどまり、マクロン氏が直面する状況の打開につながる要素はみられていない。

 先月の下院選で与党連合は250議席を獲得したものの、単独で法案を可決できる絶対多数には39議席不足している。

 かつて権勢を振るったマクロン氏は、2期目では多数の議席を持つ極右や左派連合「NUPES」との連携が必要になるが、両陣営はマクロン氏に反発する姿勢を示している。

 野党勢力はいずれも正式な連立の可能性は否定しており、政府は法案ごとに支持を集めなければならない。(c)AFP/Tom BARFIELD