巨大スイレンの新種発見 英キュー王立植物園
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【7月4日 AFP】英ロンドンのキュー王立植物園(Kew Gardens)は4日、スイレン科オオオニバス属の新種を発見したと発表した。新種の発見は19世紀半ば以来となる。
オオオニバス属はこれまで、「オオオニバス(Victoria amazonica)」と「パラグアイオニバス(Victoria cruziana)」の2種類が知られていた。新種はオオオニバスだと思われており、キュー王立植物園で177年間、ボリビア国立植物標本室(National Herbarium of Bolivia)で34年間、気付かれずにいた。
しかし今回、キュー王立植物園とボリビアの専門家らが調べたところ、第3の種であることが判明した。数年にわたる調査の研究結果は4日、学術専門誌「フロンティアーズ・イン・プラネット・サイエンシズ(Frontiers in Plant Sciences)」に掲載された。
新種のオオオニバス属「Victoria boliviana」は、野生では葉の直径が3メートルにもなり、世界最大。種は、ボリビアのサンタクルスデラシエラ(Santa Cruz de La Sierra)植物園とラリンコナダ(La Rinconada)植物園から寄付された。
植物学者ルーシー・スミス(Lucy Smith)氏は過去4年間、キュー王立植物園の温室でこの種を育てていた。「普通の風景の中に、この素晴らしい秘密がずっと隠されていた」
「Victoria boliviana」の名称は、共同研究を行ったボリビアチームをたたえるとともに、新種の生態系にちなんでいる。
オオオニバスとパラグアイオニバス、新種のスイレンがそろって見られるのは、キュー王立植物園のみ。(c)AFP/Akshata KAPOOR