【7月4日 AFP】中国の不動産開発業者が、不動産市場が落ち込む中で顧客を開拓しようと、住宅代金の支払いをスイカやモモ、ニンニクなど農産品で受け付けている。国営メディアが3日、報じた。

 中国の住宅市場は、景気低迷に加え、開発プロジェクトの着手に先立って手付金を受け取ることを禁止する措置が重しとなり、債務危機に見舞われている。

 そうした中、国営週刊誌「中国新聞周刊(China News Weekly)」の報道によると、東部・南京(Nanjing)市のある開発業者は、地元農家を対象に、頭金として最大10万元(約200万円)相当のスイカでの支払いを受け付ける計画だ。

 南京近郊の無錫(Wuxi)市では、モモでの支払いを受け付けている業者もあるという。

 ニンニクの産地として知られる河南(Henan)省杞(Qi)県では、住宅購入の支払いの一部にニンニクを充てられる。ニンニクの価格は市場価格の3倍の値段で算定される。

 開発業者としては、高値で農産品を買い取ることで、地元政府が許容する以上の割引率で住宅を販売できる。農家という新規市場の開拓にもつながる。

 ニンニクでの支払いを受け付けている業者によると、5月末の受け付け開始以来、約30軒が販売された。(c)AFP