【7月4日 AFP】イタリア北部のマルモラーダ(Marmolada)山で3日、氷河の崩落による雪崩が発生し、少なくとも6人が死亡、8人が負傷した。救急隊が明らかにした。

 氷河が崩落したマルモラーダ山は、ドロミティ(Dolomites)山地の最高峰。事故の前日、氷河の最も高度が高い地点の気温は過去最高となる10度を観測していた。

 救急隊のミケラ・カノーバ(Michela Canova)報道官は、雪と氷、岩が崩落して登頂ルートを直撃し、複数の登山隊のメンバーのうち何人かが押し流されたとAFPに語った。

 カノーバ氏によると、6人の死亡と8人の負傷が確認された。「事故に巻き込まれた登山者の合計人数は分かっていない」という。

 生存者の捜索は3日夜に中断。4日朝に再開される見通し。

 ローマ・トレ(Roma Tre)大学のマッシモ・フレツォッティ(Massimo Frezzotti)教授(科学)はAFPに対し、氷河の崩落は地球温暖化に伴う異常高温によるものだと指摘。冬季の降水量は平年を40~50%下回っていたと語った。

 フレツォッティ氏は「現在の氷河は8月半ば時点と同じような状態になっている。7月初めの状態ではない」と述べた。

 カノーバ氏は犠牲者の国籍を明らかにしなかったものの、イタリアのメディアは、外国人も含まれていると報じている。(c)AFP/Francesco GILIOLI, with Gildas LE ROUX in Rome