【7月4日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長が3日、ウクライナの首都キーウで同国のウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領と会談し、ロシアの侵攻を受けるウクライナの選手が2024年パリ五輪に出場できるよう尽力すると表明した。

 また、ウクライナ選手の支援基金を「ロシアの侵攻開始当初の250万ドル(約3億4000万円)から3倍の750万ドル(約10億1500万円)に拡大する」とし、パリ五輪と伊ミラノ(Milan)・コルティナダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)で開催される2026年の冬季五輪では「ウクライナ国旗が高く揚がるだろう」と述べた。

 ゼレンスキー大統領は追加支援を歓迎。バッハ会長との会談後、「ロシアの侵攻はウクライナのスポーツにとって残酷な打撃となっている」と話し、軍に入隊した選手や指導者ら計89人が戦闘で死亡し、13人がロシアの捕虜になっていると明かした。

 またバッハ会長は、ロシアのウクライナ侵攻を受け、2月にロシアとベラルーシの選手の除外を各国際競技連盟に勧告したことについて、IOCの方針に変更はないと明言した。

 ゼレンスキー大統領も「政治的利益やプロパガンダのため、テロリスト国家がスポーツを利用することは許されない」と判断を歓迎し、「ロシアがウクライナ国民をほろぼし、他の欧州諸国を征服しようとしている間は、世界のスポーツコミュニティーにその代表の居場所はない」と主張した。(c)AFP