【7月4日 AFP】ウクライナ軍は3日、東部ルガンスク(Lugansk)州の最後の拠点リシチャンスク(Lysychansk)から撤退した。ロシア側は、同州全域を制圧したとしている。

 ロシア軍はリシチャンスクを掌握したことで、ルガンスク州に隣接するドネツク(Donetsk)州のクラマトルスク(Kramatorsk)やスラビャンスク(Slavyansk)への攻勢を強める足掛かりを得たことになる。

 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は当初、リシチャンスクを制圧したとするロシア側の主張を否定していたが、ウクライナ軍は3日夕、撤退を発表。兵員、装備の面でより強力なロシア軍を相手に徹底抗戦すれば「致命的な結果を招く」として、「ウクライナ兵の命を守るため、撤退を決めた」と説明した。また「残念なことだが鋼の意志と愛国心だけでは勝利は得られない。物資と技術的な資源が必要だ」と訴えた。

 ゼレンスキー氏は3日夜の演説で、ウクライナは戦い続けると強調。「多くの交渉が必要となる」としながら、軍に「最新鋭兵器」を提供できるよう確実なものとすると語った。(c)AFP/Benoit Finck, with Dmytro Gorshkov in Kyiv