【7月3日 AFP】イスラエル軍は2日、地中海沖合のカリシュ(Karish)ガス田に向かっていたレバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ(Hezbollah)」の無人機3機を撃墜したと発表した。このガス田を含む水域をめぐり両国間では係争が続いており、緊張が高まっている。

 イスラエル軍は「わが国の排他的経済水域の上空に接近した敵性無人機3機を迎撃した」と発表した。

 同軍関係者によると、無人機はいずれも武装しておらず、危険をもたらすものではなかった。1機は戦闘機が、残り2機は艦船が撃墜したという。

 イランの支援を受けるヒズボラも声明で、「2日午後、非武装の無人機3機を偵察目的で係争中のカリシュ・ガス田に向けて飛ばした」と発表。「任務は完了した」として、撃墜されたことには言及しなかった。

 レバノンは先月、イスラエルがチャーターしたギリシャのエネルギー企業「エネルギアン(Energean)」の船舶がガス田に到着したとして非難していた。

 レバノンとイスラエルは境界線画定に向けた交渉を2020年に再開。だがレバノンは、国連(UN)が準拠している地図に修正が必要だとし、協議は行き詰まっている。

 レバノンは当初、860平方キロの水域が係争の対象だと主張していたが、後にガス田の一部を含む1430平方キロの水域を対象に加えた。

 これに対しイスラエルは、ガス田は自国水域にあり、係争対象ではないと主張している。(c)AFP