【7月3日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)は2日、男子シングルス3回戦が行われ、ニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は6-7(2-7)、6-4、6-3、7-6(9-7)で大会第4シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)から逆転勝利を収めた。

 気分屋として知られるキリオスは、両選手ともに警告が出た荒れ気味の試合を制し、4回戦に進出した。2014年大会に8強入りしているキリオスは、前哨戦のテラ・ウォルトマン・オープン(2022 Terra Wortmann Open)でチチパスに勝利していたこともあり、勝つチャンスはあると思って試合に臨んでいたことを明かした。

 これでチチパス戦の戦績を4勝1敗としたキリオスは「彼はとんでもない選手だ。こちらの攻略法を知っているし、自分に1回勝ったこともある」と話しつつ、「突破できて非常にうれしい。相手はときどきいら立っていた。フラストレーションのたまるスポーツだ」とコメントした。

 この試合のキリオスは、5回あったブレークピンチを全てしのいで一つもサービスゲームを落とさず、ファーストサーブのポイント獲得率は81パーセントを記録した。次は20歳のブランドン・ナカシマ(Brandon Nakashima、米国)と対戦する。

 一方、第2セットを落としたチチパスがボールを客席に打ち込んで警告を受けたところから、試合は混沌(こんとん)としていった。

 自身も下品な言葉を使って警告を受けたキリオスは、チチパスを失格にするべきだと主張。主審に「恥」だと訴え、責任者と話をさせてほしいと要求すると、問題が解決しない限りは試合を続けないと主張する異様な状況になった。ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が線審にボールを当てて失格になった2020年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2020)を引き合いに出すこともした。

 チチパスはこの段階でコートを離れ、不穏な空気が増す中で戻ってきたが、ブーイングを浴びせられた。(c)AFP/John WEAVER