【7月2日 AFP】ウクライナは1日、トルコに対し、ウクライナ南東部のロシア支配下の港から出航したとされるロシア船籍の貨物船を拿捕(だほ)するよう要請した。

 船舶の位置情報などを提供するウェブサイト「マリントラフィック(marinetraffic.com)」などによると、ロシア船籍の貨物船「ジュベク・ジョリ(Zhibek Zholy)」(最大積載量約7000トン)は、黒海(Black Sea)に面するトルコのカラス(Karasu)港の沖1キロに停泊している。同船はトルコに接近する12時間前まで、当局による追跡を可能にするトランスポンダー(応答機)のスイッチを切っていた。

 ウクライナのバシル・ボドナル(Vasyl Bodnar)駐トルコ大使は、同船がウクライナ南東部のロシア支配下にあるベルジャンシク(Berdyansk)港から出航したとして、「ウクライナ検事総長の指示に基づき、トルコ側に相当の措置を講じるよう要請した」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 ボドナル大使は先月、ロシアがウクライナ侵攻中に強奪した穀物をトルコが購入したと非難していた。

 これに対してトルコのメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相は先週、ロシアが奪ったウクライナ産穀物がトルコの黒海沿岸に到着したとの報告について調査中だが、そうした穀物はこれまで見つかっていないと述べた。

 ロシアが任命したベルジャンシク当局トップ、エフゲニー・バリツキー(Evgeny Balitski)氏は先月30日、ベルジャンシクから黒海を航行する新ルートが開通したと発表。「最初の商船がベルジャンシクの港を出発した。穀物7000トンが友好国に向かっている」とメッセージアプリのテレグラム(Telegram)に投稿していた。(c)AFP