【7月4日 Xinhua News】中国陝西省(Shaanxi)西安市(Xi'an)の秦始皇帝陵百戯俑(雑技俑)坑で出土した「仰臥俑(ぎょうがよう)」を制作したのは若い職人だったことが、専門家の調査で判明した。仰臥俑の塗装面には多くの指紋が残されており、指紋の専門家が比較照合を行った。

 秦始皇帝陵博物院の周萍(Zhou Ping)副院長によると、仰臥俑の修復作業では腹部の彩色部分から3本の手の指の指紋が確認されていた。専門鑑定機関の専門家がこれらの指紋のデータを採取し分析した結果、若者の指紋の特徴と高い類似性が認められたという。

 百戯俑坑から発見された陶俑の衣服部分には多くの彩色が施されていた。研究者は大量の文様データの収集と彩色顔料の分析を行い、百戯俑文様のデータベースを構築するとともに、文献資料と照らし合わせて百戯俑の衣装を復元させた。周氏によると、秦始皇帝陵博物院は今後、百戯俑を実物資料として秦代の百戯の音楽と舞踊の研究を進め、秦代の百戯楽舞の体系を徐々に構築していく。

 仰臥俑が出土した場所の正式名称は秦始皇帝陵K9901陪葬坑だが、宮廷で百戯(雑技)を演じた人々をかたどった陶俑が数十点出土したことから百戯俑坑と呼ばれる。仰臥俑は両足の先と両膝を地面に着け、体を後ろに傾けた仰向けの姿をしている。発見時は破損が深刻で、数十の破片に分かれ、頭部と両手の先は欠けていたが、研究者が9カ月余りかけて修復した。(c)Xinhua News/AFPBB News