【7月1日 AFP】サウジアラビアが後援する新リーグ、リブゴルフ・インビテーショナル(LIV Golf Invitational)シリーズ第2戦は30日、米オレゴン州ノースプレーンズ(North Plains)のパンプキンリッジGC(Pumpkin Ridge Golf Club、パー72)で開幕し、カルロス・オルティス(Carlos Ortiz、メキシコ)が5アンダー「67」で首位発進した。

 大会初出場のオルティスは、この日7バーディー、2ボギーの好スコアでトップに立った。米ツアー(US PGA Tour)でメジャー通算2勝を誇るダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson、米国)は、自身の最終ホールとなった17番でティーショットを右に曲げながらも、木の間を通すショットを放って無理かと思われたパーセーブに成功し、1打差の4アンダー「68」で単独2位に続いている。

 賞金総額が2500万ドル(約34億円)に上り、「ショットガン」スタートで予選カットなしの3日間で競う同シリーズをめぐっては、開催への抗議や法的手段に訴える声が出るなど、ゴルフ界をさらなる分断に導いている。メジャー通算4勝のブルックス・ケプカ(Brooks Koepka、米国)や2020年全米オープン選手権(2020 US Open Championship)覇者のブライソン・デシャンボー(Bryson DeChambeau、米国)らスター選手が続々と参戦しているものの、大会への批判は免れないものと思われる。

 この日は、2001年に起きた米同時多発攻撃の遺族会メンバーが、怒りの記者会見を開いた。犠牲者の家族は、ハイジャック犯が飛行機で世界貿易センター(World Trade Center)のタワーに激突するなど、米国各地で数千人が亡くなった攻撃にサウジアラビアが関与していたと主張。ハイジャック犯19人のうち、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者を含め15人はサウジ国籍だった。

 オーストラリアの元名ゴルファーであるグレッグ・ノーマン(Greg Norman)氏が最高経営責任者(CEO)を務めている同シリーズは、サウジアラビアの政府系ファンド「公的投資基金(Public Investment Fund)」が資金援助を行っており、同国がスポーツを通じてイメージアップを推し進めていると人権保護団体から厳しい批判が出ている。

 米国でのシリーズ初戦が行われているオレゴン州では、地元の首長11人がパンプキンリッジGCを所有するエスカランテ・ゴルフ(Escalante Golf)に対して書簡で正式に抗議している。

 同州では2016年に当時15歳のファーロン・スマートさんがひき逃げ事故で亡くなり、サウジアラビア出身の大学生が第1級殺人罪に直面した。しかし、公判開始前にこの大学生は監視装置を外して逃亡しており、米当局はサウジ政府が国外脱出を手助けしたとの見解を示していた。(c)AFP