「科技小院」が農村の人材育成に貢献
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【7月4日 People’s Daily】まだ夜が明けないうちから、中国工程院の張福鎖(Zhang Fusuo)院士率いる「科技小院」に「診察」してもらいたい植物を抱えた農家が、長蛇の列をつくっていた。
2009年から、張福鎖氏は中国農業大学(China Agricultural University)の学生を引き連れて、毎年300日以上は農村を回り、農家と生活を共にした。そのために「科技小院」の名前は広く知れ渡った。「科技小院は徐々に、政府・企業・農家・科学技術の4者が一体となったプラットフォームを形成し、常に刷新と応用を続けています」と、張福鎖氏は語る。
近年、中国ではますます多くの研究者養成機関が、大学院生を農業生産の最前線に長期派遣する「科技小院」に取り組んでいる。学生は理論や知識を学んで基礎を固めたうえで、農業生産の実践の中で、実際的な問題を重点的に研究・解決していく。
各「科技小院」では、学術研究・実践能力ともに水準の高い農業専攻の指導教官が主席の院生、少なくとも第2席の院生の担当をし、毎年120日以上農村に駐在する。また「科技小院」にはスポンサー企業がついており、リーディングカンパニーや科学研究所、各種協会や合作社、産業パーク、地方自治体などが、教員や院生の宿泊・交通などのサポートにあたる。「科技小院」は県内の主要な農作物に焦点を当て、その生産過程で起きる問題に対処する。
研究者の科学技術の成果がすぐに農家の運用する技術に転用でき、院生も実践の中で成長できるのが「科技小院」の良さである。「科技小院」は、科学研究と農業生産現場のミスマッチや、人材育成と社会におけるニーズの不一致を解決する。学生たちは研究室から農家へ入り、現場での生産を理解し、コミュニケーション能力など総合的な素質を身に付けて、農家のニーズから出発した科学研究の発展を目指すことになる。この教育法は、理論と実践・科学研究と普及・イノベーションとサービスを融合させ、中国の高等教育の深化や研究者養成のモデル改革をもたらすものである。
また、技術の普及訓練や科学を普及させる活動を通じて、農家の科学的素質を向上させ、地元の人材育成を振興することも「科技小院」の役目である。「科技小院」の学生たちは農業の現場で学ぶ学習者・受益者であるのみならず、地元を振興させる奉仕者・貢献者でもある。10年あまりで、800人以上の指導教官と1500人以上の大学院生が「科技小院」の建設・運営に参加する中で、農村での活動に従事する者は8万人以上に増え、オフラインで訓練を受けた農家は累計20万人以上にのぼる。小院での活動を通して学生だけでなく、農家も収穫や成長を得たのである。
中国ではこれまでに、30あまりの農業高等学校で300以上の「科技小院」が設立され、135種の産業体系をカバーしてきた。(c)People’s Daily/AFPBB News