【7月2日 People’s Daily】中国江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)のIT企業が最近、デジタル人民元を導入する企業のためのプラットフォーム「デジタル人民元企業アシスタント」を立ち上げた。銀行間の取引をデジタル人民元で行い、従業員の給与をデジタル人民元で支給できるようにした。

 デジタル人民元の実証実験は2019年末から広東省(Guangdong)深セン市(Shenzhen)、蘇州市、河北省(Hebei)雄安新区(Xiong’an New Area)、四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)、および北京冬季五輪会場で行われてきた。2020年11月からは上海など6都市を追加。2021年末現在でデジタル人民元は808万5100か所で導入され、個人用ウォレットは2億6100万件開設され、取引額は875億6500万元(約1兆7863億円)に達した。

 実証実験は順調に進み、一般の認知度は高まっている。中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)は今年4月2日、実験エリアに天津市(Tianjin)、重慶市(Chongqing)、広東省広州市(Guangzhou)、福建省(Fujian)の福州市(Fuzhou)とアモイ市(Xiamen)、アジア大会開催地の浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)の6都市を加えると発表した。

 今年開かれた北京冬季五輪の会場では食品、住宅、輸送、旅行、ショッピング、エンターテインメント、医療などの7つの主要分野でデジタル人民元が利用された。また、フードデリバリーなど生活関連サービスを手掛ける「美団(Meituan)」は今年1月、デリバリーの注文でデジタル人民元決済を選択できるようにした。

 小売り、卸売り、デリバリー、観光、政府の支払いなど幅広い分野でデジタル人民元は浸透している。中国人民銀行はプライバシー保護や犯罪防止のため、デジタル人民元のセキュリティー確立を引き続き進めている。(c)People’s Daily/AFPBB News