【6月30日 AFP】(更新、写真追加)中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が30日、香港の中国返還25周年を記念する式典に出席するため、高速鉄道で香港入りした。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)が始まって以来、習氏が中国本土外を訪れるのは初めて。

 習氏は「嵐の後、香港は火の中からよみがえり、頑強な活力を伴って再生した」と述べ、「この事実は『一国二制度』に偉大なる活力があることを証明した」と主張した。

 習氏は彭麗媛(Peng Liyuan)夫人と王毅(Wang Yi)外相を同伴して駅に到着。旗と花束を手にした子どもたちや獅子舞の出迎えを受けた。

 詳しい訪問日程は極秘で、各所が封鎖されるなど香港市内は厳戒態勢が敷かれている。政府高官も含め習氏と接する人は全員、感染対策のため外部と隔絶した環境下に置かれ、毎日PCR検査を受ける。

 習氏は香港ではなく、隣接する深セン(Shenzhen)のホテルで夜を過ごすとみられる。

 メディア報道は厳しく制限されている。AFPは29日時点で、香港と外国のジャーナリスト13人が記念式典の取材を拒否されたことを確認した。その後、AFPの別の記者1人は取材許可を得ることができた。

 香港当局は、公営住宅などに香港の旗と中国国旗を大量に掲げ、市民の祝賀ムードを演出しようとしている。ただ、ある住民は各階全てに飾られた小さな旗に「不必要だし、多過ぎる」と不満を漏らした。(c)AFP/Su Xinqi and Holmes Chan