【6月30日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で3度の年間優勝を果たしたネルソン・ピケ(Nelson Piquet)氏(69)が29日、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)に対して人種差別的な表現を使ったことについて「心から」謝罪した。

 1981年と83年、87年に総合優勝を飾っているピケ氏は、昨年の英国GP(British Grand Prix 2021)決勝の1周目でハミルトンとレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)が接触したことについてポッドキャストで話していた際、人種差別的なコメントをした。

 ピケ氏の発言を受け、ハミルトンは「今こそ行動を起こすときだ」と声を上げ、F1と国際自動車連盟(FIA)も非難していた。

 コメントを発表したピケ氏は「並外れたドライバーであるルイスをはじめ、今回のことで影響が及んだ全ての人に心から謝罪する。だが、現在ソーシャルメディアに出回っている一部メディアの翻訳は正しくない」と述べた。

「私の発言は思慮が足りず、そのことを言い訳するつもりはない。だが、自分が使った言葉は、ブラジルのポルトガル語では『男』や『人』の同義語として歴史的にも広く使用されてきたもので、不快にさせる意図は決してなかったということは明確にしておきたい」

 ピケ氏はブラジルの極右のジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領の支持者で、昨年の独立記念日には大統領の運転手を務めた。また、娘のケリー(Kelly Piquet)さんはフェルスタッペンのパートナーでもある。

 F1ドライバーで唯一の黒人選手であるハミルトンは、以前からF1の多様化を目指して積極的に声を上げている。(c)AFP