【6月30日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は29日、北大西洋条約機構(NATO)部隊として欧州に展開する米軍の戦力増強を表明し、NATOは今日「これまで以上に必要とされている」との認識を示した。

 NATO首脳会議に出席するためスペインの首都マドリードを訪問したバイデン氏は、イエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長と会談した。

 NATOは「陸空海すべての領域で強化される」と述べたバイデン氏は、スペイン南西部ロータ(Rota)の米海軍の駆逐艦を4隻から6隻に増やし、ポーランドに米陸軍第5軍団(5th Army Corps)の司令部を常設するなどの方針を示した。

 バイデン氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が「欧州の平和を打ち砕き、ルールに基づく秩序を攻撃している今、米国と同盟国は態勢を強化する」と強調した。

 さらにバイデン氏は、これまで中立国だったフィンランドとスウェーデンから加盟の申請を受けたNATOの結束にも言及。プーチン氏のウクライナ侵攻の戦略が裏目に出たとし、「これはまさに彼(プーチン氏)が避けたいと思っていたことだが、欧州の安全を保証するためには必要なことだ」と述べた。(c)AFP