【6月29日 AFP】米国は28日、トルコがこれまで難色を示していた北欧スウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟支持で合意したことをめぐり、トルコに方針転換させるために米国が譲歩したことはないと明らかにした。

 米政府高官は匿名を条件に記者団に対し「トルコ側から米国側に特別な譲歩を求められたことはない」として、トルコの決定をNATO結束に向けた「強力なカンフル剤」と呼んだ。

 トルコは最新鋭の米製ステルス戦闘機F35の導入を計画していた。しかし、ロシアから地対空ミサイルシステムS400を購入したことでF35共同開発計画の安全性を脅かす恐れがあるとして排除された。

 トルコは次に、F16戦闘機の新規購入と既存のF16の近代化改修を求めたが、交渉は保留になっている。こうした事情から、米国の譲歩を引き出すために北欧2か国のNATO加盟支持を先延ばしにしているのではないかとの臆測が飛び交っていた。

 米政府高官は北欧2か国の加盟支持の合意について「トルコは米国に何も要求していない。トルコ、フィンランド、スウェーデンの3か国だけのものであり、米国とは無関係だ」と述べた。

 さらに、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は仲介や交渉の当事者となることを望まなかったとする一方、バイデン氏の長期にわたる舞台裏での外交は称賛に値すると述べた。(c)AFP