【6月29日 AFP】ロシアのオリガルヒ(新興財閥)の一人、オレグ・デリパスカ(Oleg Deripaska)氏は28日、ロシアが軍事攻撃によりウクライナを破壊するのは「途方もない間違い」だと指摘した。実業界の大物からの自国非難はまれ。

 デリパスカ氏は、ロシアのアルミ製造会社ルサール(Rusal)の創業者で、西側諸国による対ロシア制裁の対象となっている。

 首都モスクワで行われた記者会見で、デリパスカ氏は「ウクライナを破壊することはロシアの利益となるのか。もちろん違う」と言明。

「途方もない間違い」という言葉を繰り返した同氏は、ロシアによるウクライナ侵攻を「戦争」と呼んだ。ロシア当局はウクライナに対し「特別軍事作戦」を展開していると主張しており、「戦争」という言葉は事実上使用禁止となっている。

 一方でデリパスカ氏は、ロシアの体制転換の可能性は低いとの見方を示した。

 ウクライナ侵攻開始以来、同国ではウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を批判する人々への弾圧が強化され、大半の反対勢力が亡命を強いられたり、収監されたりしている。(c)AFP