【6月28日 AFP】ドイツの裁判所は28日、第2次世界大戦(World War II)中にナチス・ドイツ(Nazi)の強制収容所で看守を務めていたヨーゼフ・シュッツ(Josef Schuetz)被告(101)に対し、収容者の殺害をほう助したとして禁錮5年の判決を下した。被告は、ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)が起きた際の戦争犯罪で共犯に問われた最高齢者。

 判事によると、被告は1942~45年にベルリン北郊オラニエンブルク(Oranienburg)にあったザクセンハウゼン(Sachsenhausen)強制収容所で看守として働いていた際、殺人をほう助したとして有罪判決を受けた。検察側は、被告が「承知の上で積極的に」強制収容所での3518人の殺害に加担したと指摘していた。

 裁判で被告は「まったく何もしていない」と無罪を主張。27日の最終弁論で「なぜ私がここにいるのか理解できない」と訴えた。被告はブランデンブルク(Brandenburg)州で年金生活を送っていた。

 2011年にホロコーストの最中に強制収容所で看守を務めていたジョン・デミャニューク(John Demjanjuk)被告に有罪判決が下されて以降、これが先例となり、共犯で数人が有罪判決を受けた。第2次世界大戦から70年以上が経過する中、検察当局はナチス関連の容疑者を訴追する動きを急いでいる。(c)AFP