【6月28日 AFP】25日に仏北部カン(Caen)で開催された陸上のフランス選手権(French Athletics Championships 2022)で、男子ハードルのウィルフリード・アピオ(Wilfried Happio)が、レース本番20分前に暴行される事件があった。それでも、アピオは片目に眼帯とばんそうこうをして出場し、優勝を果たした。

 23歳のアピオは、男子400メートルハードル決勝に向けてウオーミングアップをしていた際に襲撃され、顔を複数回殴られたが、自己ベストを更新する48秒57で優勝。来月開催される第18回世界陸上オレゴン大会(World Athletics Championships Oregon 22)の代表メンバー入りを確定させた。

 アピオのコーチは「ウオームアップ中に大変な事件が起きた。何者かが彼に飛び掛かって暴行を加えた」と明かし、「どこからともなく男が現れて、彼にウィルフリード・アピオかと聞くと飛び掛かってきた。私はどうにか彼を引き離した」と振り返った。

「レース20分前のことで、待機場所へ向かおうとしていたところだった」

「衝撃を受けた。男は逮捕されたし、ウィルフリードも大丈夫だ。だが言葉がない。紛れもない攻撃で、恥ずべき行為だ。野蛮人のやることだ」

 レース後には鼻血を流していたアピオは「あのこと(襲撃)については、これ以上話したくない」とし、「片目だけだったので、いつもより難しいレースだった」と話すにとどめた。

 フランス陸上連盟(FFA)は、この事件に関連して男1人が逮捕され、捜査が開始されたことを明らかにしている。(c)AFP