【6月27日 AFP】ボクシング、WBAスーパー・WBC・IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(Naoya Inoue)が27日、日本外国特派員協会(FCCJ)で会見に臨み、4団体を統一して、新たな「パウンド・フォー・パウンド」王者としての自分の価値を証明したいと語った。

 今月、WBC同級王者のノニト・ドネア(Nonito Donaire、フィリピン)を2回TKOで下して3団体統一を果たした井上は、ボクシング専門誌リングマガジン(Ring Magazine)が選定する「パウンド・フォー・パウンド」の1位に浮上した。

 世界ヘビー級王者のオレクサンドル・ウシク(Oleksandr Usyk、ウクライナ)からトップの座を奪った井上は、WBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(Paul Butler、英国)に打ち勝ち、4団体統一王者になることを熱望している。

 29歳の井上は「このドネア戦での勝ち方次第では(パウンド・フォー・パウンド)1位になるのかなという思いではいたので、その結果、これ以上ない試合内容で終わることができた。この先は、このパウンド・フォー・パウンド1位という立ち位置にふさわしい試合をこなしていきたい」とすると、「そのためにも4団体統一をした上でスーパーバンタム級に(階級を)上げて、また新たなステージで挑戦していきたい」とコメントした。

 33歳のバトラーは今年4月、ジョナス・サルタン(Jonas Sultan、フィリピン)を下して暫定王座を獲得。その後、WBOがジョンリール・カシメロ(John Riel Casimero、フィリピン)の王座を剥奪したため、暫定王者から正規王者に昇格した。

 井上によるとバトラーとの年内の対戦に向けた交渉は「流れ的にはいい」もので、「実現するのなら開催国は日本でも米国でも英国でもどこでもいい」と続けた。

 一方で井上は、スーパーバンタム級が自分にとって「ベストな階級に」なるとしつつ、35歳で引退する思いを明かした。

 23戦23勝(20KO)の戦績を誇る井上は「無敗でゴールというものが理想ですけど、ボクシングはそんなに甘くないスポーツ」と語り、「自分がボクシングをやって良かったなと思える35歳であれば、自分はボクシングをやってきて満足できるのかなと思う」と続けた。(c)AFP/Andrew MCKIRDY