【6月27日 AFP】南アフリカ当局は26日、南部イーストロンドン(East London)の酒場で10代の子ども少なくとも21人が死亡したと発表した。死因は不明だが、地元当局と警察は未成年者の飲酒が招いた悲劇的な事故とみて調べている。

 東ケープ(Eastern Cape)州政府によると、現場はシーナリーパーク(Scenery Park)地区の住宅街にある酒場で、死亡したのは少女8人と少年13人。現場で17人の死亡が確認され、4人は搬送先の病院で死亡した。

 26日未明に現場に到着した当局者は、店の外の路上には酒の空き瓶やウィッグ、「ハッピーバースデー」と書かれた紫色のたすきなどが散乱していたと述べた。死亡した少年少女の大半は25日夜、高校の前期試験の終了を祝っていたとみられる。

 遺体に外傷はなかった。検視を行って中毒死かどうかを調べるという。

 現地に駆け付けたベキ・ツェレ(Bheki Cele)警察相は、遺体安置所を訪れた後、記者団の前で「ひどい光景だ」と泣き崩れた。「皆とても若い。13歳や14歳もいると聞いた。つらい」

 南アでは飲酒は18歳からと法律で定められている。しかし、街中の酒場は一般住宅と隣接しており、安全規制や飲酒年齢制限がきちんと守られていないことも少なくない。

 17歳の娘の死亡が現場で確認された母親は、「うちの子がこんな死に方をするとは思ってもいなかった。謙虚で礼儀正しい子だったのに」と嘆いた。

 現地の酒類免許当局は、18歳未満への酒類販売を禁じる法律に「あからさまに」違反したとして、酒場の酒類販売業免許の取り消しと経営者の刑事告発を検討している。(c)AFP/Wandiswa NTENGENTO