【6月28日 People’s Daily】2017年4月1日、中国政府は深セン経済特区、上海市の浦東新区に続く国家的重要性を持つ新区として河北省(Hebei)の雄安新区(Xiong’an New Area)の設立を決定した。それから5年がたち、雄安新区はトップダウン設計計画から、大規模建設段階へと進み、偉大なる大都市が形になってきた。

 今年2月、雄安新区の第1四半期のプロジェクトは一斉に着工した。43の重点プロジェクトの投資総額は601億元(約1兆2100億円)に達し、うち10億元(約202億円)以上の大型プロジェクトは16件あった。第1陣の中央企業の非首都機能(教育、医療、行政機関の一部)移転プロジェクトおよび中国通信(China Telecom)、チャイナモバイル(China Mobile)、チャイナユニコム(China Unicom)の三大産業パークプロジェクトが全面的に建設され、スポーツセンター、学園図書館などの主要公共サービスランドマークプロジェクトも着工された。計画では、雄安新区は今年、200以上のプロジェクト、投資総額7000億元(約14兆1500億円)以上の建設が着工することになっている。

 1枚の青写真を最後まで描く。習近平(Xi Jinping)共産党総書記は、雄安新区は後世への歴史的遺産であり、「世界的視野、国際基準、中国の特色、ハイレベルの位置づけ」という理念を堅持し、新発展理念を貫くイノベーション開発モデル区を構築するよう努力しなければならないと強調している。

 雄安は「モデル」都市だ。雄安新区は都市の外観に厳格な規定を設け、ユニークな建物や超高層ビル、ガラスカーテンウオールは禁止されている。地下共同溝の設計は、架空線による「空のくもの巣」、地下埋設管による「ロードチャック」など「都市病」を解消することができる。将来的には、雄安新区は200万〜250万人口を抱え、質の高い教育・医療などの資源が配置される計画だ。

 雄安はエコシティーだ。この5年間で、雄安新区は総面積45万4000ムー(約302平方キロ)の森林を再生し、経済林、果樹、景観樹木など2300万本以上が植えられ、森林被覆率は当初の11%から32%に伸びた。公園まで300メートル、森林帯まで1キロ、森林まで3キロ、都市に住む人々があこがれる田園都市の風景と生活は、雄安新区で現実となりつつある。雄安新区初のごみ総合処理施設の第1期工事は、地上がカントリーパーク、地下がごみ総合処理施設という「脱工場化」理念で建設し、ごみ処理の全過程を地下で行い、近隣住民への影響を最小限に抑えた。

 雄安は「スマートシティー」だ。ここに中国初の都市スマートインフラプラットフォームが建設される計画だ。シティーコンピューティングセンターは、各種スマートシティーシステムのコンピューティングとストレージ機能を担う「ブレーン」となり、モノのインターネット(IoT)プラットフォームや映像統一ネットワークプラットフォームは、人間の「神経」に似た都市のIoTデバイスや監視装置の統合管理を担い、CIM(コンピューター統合生産)プラットフォームは、デジタル世界における現実世界の複合現実(MR)となるもので、新区に建設されるすべてのビルは、デジタル雄安プラットフォーム上にデジタルビルが生成され、街中の街灯の交換もリアルタイムで表示される。雄安はまさに「デジタルMRシティー」の新たな段階へと突入していくのだ。

 この5年間、雄安新区は高い基準と品質での建設を推進し、新たな発展を遂げ続け、新たなイメージを示している。ここから未来の中国が見えてくる。(c)People’s Daily/AFPBB News