【6月27日 AFP】ウクライナ当局は、26日の首都キーウの集合住宅へのロシアのミサイル攻撃で1人が死亡、4人が負傷したと発表した。キーウが攻撃の標的になったのは約3週間ぶり。

 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領とキーウのビタリ・クリチコ(Vitali Klitschko)市長によると、早朝の空爆で男性1人が死亡したほか、男性の娘(7)を含む4人が負傷して病院に搬送された。

 クリチコ氏は、29、30両日に北大西洋条約機構(NATO)首脳会議がスペイン・マドリードで開かれるのを前に「ウクライナ国民を脅す」ための攻撃だと非難した。

 ロシアは、ウクライナ北部と西部の軍事施設3か所を空爆したと発表。民間人を標的にした攻撃ではなく、キーウの集合住宅の被害はウクライナ側の防空ミサイルによるものだと主張した。

 集合住宅の住民は「最初の爆発で目が覚めた。ベランダに出たらミサイルが落ちてくるのが見えた。大きな爆発音がして何もかもが揺れた」とAFPに語った。

 別の住民も、午前6時半ごろから4発のミサイルが襲来し「(集合住宅の)上層を直撃した。けがをした人たちが飛び出してくるのを見た」と証言した。

 攻撃のタイミングは、ドイツで先進7か国(G7)首脳会議(サミット)が開幕する直前だった。ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領はこれを受け、「野蛮」な攻撃だと非難。西側の「分断」を望むロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の思惑にNATOとG7は結束して対抗すると強調した。(c)AFP/Blaise GAUQUELIN with Hui Min Neo in Elmau Castle