【6月26日 AFP】西欧を中心に感染報告が相次いでいるサル痘について、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は25日、現時点では「公衆衛生上の緊急事態」には当たらないとの見解を表明した。

 WHOが23日に開いた専門家による緊急委員会の助言を受け、対応を判断した。

 サル痘は5月以降、これまでに流行が報告されていたアフリカ中・西部以外の地域での感染例が相次いでいる。今年に入ってWHOに報告された感染者数は、50か国以上で計3200人を超えている。うち1人は死亡した。

 テドロス氏は「緊急委員会は今回の感染拡大の規模と速度について深刻な懸念を共有した」と説明。同時に、感染の広がりやデータとの隔たりに関して不明な点も多いと指摘した。

 その上で「(委員会の)報告書は、現時点ではサル痘はWHOが発する最高レベルの警告である『国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態』には当たらないと助言した」と説明。ただし「委員会が開催されたこと自体、世界的な感染拡大への懸念が高まっていることの表れであることは認めている」と述べた。(c)AFP