【6月26日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は25日、スウェーデンのマグダレナ・アンデション(Magdalena Andersson)首相と同国の北大西洋条約機構(NATO)加盟をめぐって電話で協議し、トルコ側の懸念を解消するための「具体的な行動」を求めた。来週のNATO首脳会議を前に、トルコが依然、新規加盟交渉入りに向けた進展を阻害している形だ。

 トルコ大統領府によると、エルドアン氏は「テロとの戦いなど基本的な問題について、スウェーデンは対策を講じなければならない」と改めて主張。「具体的かつ明確な行動を伴う拘束力のある方針表明」を要求した。

 NATO加盟を目指すスウェーデンとフィンランドは、29、30両日に開かれるNATO首脳会議までにトルコの同意を得ようとしていたが、改めて水を差された格好となった。

 ただ、アンデション氏はツイッター(Twitter)に、エルドアン氏との協議は首尾よく終わったと投稿。「首脳会議に向けて進展を図ることが重要との認識で一致した。エルドアン氏や他のNATO加盟国首脳と会うのを楽しみにしている」とした。

 トルコはスウェーデンとフィンランドについて、トルコが非合法としているクルド人武装勢力の活動拠点となっていると非難している。

 トルコ側によれば、エルドアン氏はアンデション氏に反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」とシリアの関連組織に対する「姿勢を具体的に変えるべきだ」と伝えた。しかし「スウェーデン側は、トルコの懸念に対する内容を伴った対応を示さなかった」という。

 エルドアン氏はまた、シリアでのトルコの軍事作戦を受けてスウェーデンが2019年に導入した武器輸出制限の解除や、トルコがテロ容疑者とみなす複数の活動家の身柄引き渡しなどを求めた。(c)AFP