【6月25日 AFP】ウクライナ当局は24日、ロシアに併合されたクリミア(Crimea)半島の博物館から盗まれたとみられる古代の遺物6000点以上を押収したと明らかにした。

 当局はウクライナ歴史博物館(Museum of the History of Ukraine)で会見し、クリミアで高級官僚の立場にあったウクライナの元議員による「違法行為」の捜査中、首都キーウの事務所での家宅捜索から青銅器時代と中世の遺物を発見したと発表。

 イリーナ・ベネディクトワ(Iryna Venediktova)検事総長は、押収したのは「剣やサーベル、かぶと、つぼ、コインなど6000点を超える遺物」だと説明。一部はクリミアの複数の博物館からの盗難品とみられ、推定価値は「数百万ドル」だとしている。

 オレクサンドル・トカチェンコ(Oleksandr Tkachenko)文化情報相は会見で「ウクライナ史上最大の違法コレクションだ」と指摘。

 ロシアの侵攻開始後にウクライナ側に戻ってきたのは象徴的だとして、「(ロシアのウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin)大統領が奪おうとしている私たちのアイデンティティーと文化を、戦時下に取り戻した」と述べた。

 ベネディクトワ氏はさらに、ロシアが占領している南部メリトポリ(Melitopol)の博物館から「スキタイの黄金(Scythian Gold)」と呼ばれる財宝コレクションが盗まれた件についても現在調査中だと説明した上で、「ロシアはわが国を破壊し、国民を殺害するだけでは飽き足らず、歴史まで盗もうとしている」と非難した。(c)AFP