「ムハンマド」使ったバーの広告、宗教冒涜容疑で捜査 インドネシア
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【6月24日 AFP】インドネシア警察は24日、チェーン展開する人気のバーが、「ムハンマド」という名前の客にアルコールを無料提供するプロモーションを展開したとして、宗教を冒涜(ぼうとく)した容疑で捜査していると明らかにした。
現在は消去されたネット上の掲示によると、バー「ホーリーウイングス(Holywings)」は、男性はムハンマド、女性はマリアの名前を持つ人を対象に、身分証明書を提示すれば毎週木曜日にジンのボトル1本を無料で提供するとしていた。これに対し、イスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)を侮辱するものだとして批判の声が上がっていた。
イスラム信徒の飲酒はシャリア(イスラム法)で禁じられているものの、世俗主義のインドネシアでは、どの宗教の信徒に関しても飲酒は禁止されていない。ただ、イスラム信徒の飲酒は保守的な同胞から冷ややかな目で見られている。
警察当局者は記者会見で、バーのプロモーションに関して捜査を始めたと明らかにするとともに、バーを襲撃しないよう国民に呼び掛けた。
ジャカルタ警察によると、少なくとも二つの青年団体が宗教冒涜でバーを告発した。インドネシアの法律では、宗教冒涜は禁錮5年以下の刑が科される。
バー側は23日のソーシャルメディアへの投稿で、「プロモーションと宗教を関連付ける意図はなかった。国民に深く謝罪する」と表明した。
イスラム団体ムハマディヤ(Muhammadiyah)の幹部は「イスラム教のほか、他宗教のシンボルがもてあそばれたのは残念だ」と批判した上で、「なぜムハンマドを使ったのか。どうしていずれの宗教とも関連しない他の名前を使わなかったのか」とバー側の宣伝活動に疑問を呈した。(c)AFP