英語教えながら食品販売! 中国教育大手の生き残り策が大ブレイク
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【6月24日 東方新報】昨年夏の中国政府の「学習塾禁止令」により、壊滅的打撃を受けた中国の学習塾業界。その中で、最大手だった「新東方教育科技集団(New Oriental Education & Technology Group)」は今月から、講師が英語を教えながら商品を売るライブ配信を始めた。売り上げを大きく伸ばし、株価を引き上げる効果もあった。
新東方の子会社がSNS「抖音(Douyin)」に立ち上げたライブ販売スタジオ「東方セレクション」。8年間で50万人の学生に英語を教えてきた董宇輝(Dong Yuhui)講師がホワイトボードの前に立ち、カメラを見て話を始める。オンライン授業が始まるような光景だが、目的は299元(約6067円)のステーキ販売。セールスをしながら「テンダー(柔らかい)」「ジューシー」などの関連英語を説明した。
新東方の講師はリンゴや茶葉、ザリガニ、米なども販売。商品の説明と英語を話すだけでなく、シェークスピア(Shakespeare)の小説や中国古文にも話を振り、歴史や地理、哲学など話す内容は多岐にわたる。新東方のスタッフは「ジョークや教養を交えて学生のハートをつかむのは、うちの講師の基本スキル。ライブ販売でユーザーをひきつけるのにも適している」と解説する。
講師のライブ販売を始めた6月10日、「東方セレクション」の売り上げは1000万元(約2億円)を超え、それまで100万人に満たなかったフォロワーは12日夜には300万人近くに達した。東方セレクションを運営する新東方オンラインの株価は6月10日の終値で39%上昇。親会社の新東方教育科技集団も10%上昇した。
中国政府は昨年夏、学校の宿題と塾通いを両方減らす「双減政策」を発表した。学校の宿題は学年ごとに時間の上限を設定。学習塾については「非営利団体として再登記すること」「週末や長期休暇に教育サービスを提供してはいけない」「小学校入学前の幼児に英語を教えない」などとしており、減らすというより実質は「学習塾禁止令」という内容だ。全国で多くの学習塾がたちまち閉鎖。新東方は幼稚園から中学3年生までの教育サービスをすべて打ち切り、6万人の従業員を解雇し、売り上げは80%減少した。
創業者の兪敏洪(Yu Minhong)氏は「残ったスタッフたちと農産物のライブ販売を始める」として昨年12月、東方セレクションを立ち上げた。売り上げは伸び悩んでいたが、試行錯誤の末、英語を教えながらのライブ販売という新手法でブレイクを果たした。
21世紀教育研究所の熊丙奇(Xiong Bingqi)所長は「新東方の取り組みは新鮮だ。ただ、このスタイルが長く人気を保つかは先を見なければ分からない」と話している。
新東方はライブ販売で教養書や児童書、学習機器も販売。本来の学習塾では社会人・大学生向けの国家資格受験コースや留学指導コースは継続しており、さらに拡充していく方針だ。他の学習塾企業もファストフード事業への進出を検討したり、電気自動車企業と合併したりと、それぞれの生き残り策を模索している。(c)東方新報/AFPBB News