【6月24日 Xinhua News】中国のコーヒー豆の輸入量が急増している。中国税関の統計によると、2018~20年の輸入量が年平均6万~7万トンだったのに対し、21年は12万2700トンと前年から74%増加した。うち、生豆は前年比87%増の10万6千トンで、全体の約86%を占めた。

 江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)のコーヒーショップ「昇咖啡」では、コーヒー豆の自家焙煎を行っているほか、毎月異なるシングルオリジンコーヒーを提供している。創業者でバリスタの黄琪(Huang Qi)さんは「品質への期待が高まるにつれ、ブレンドコーヒーはニーズに合わなくなった。シングルオリジンコーヒーは産地の風味が十分に味わえる。月ごとに豆を変えて、お客様に異なる産地や焙煎方法による風味の違いを楽しんでもらっている」と語った。

 輸入コーヒー豆の人気が、中国におけるコーヒーの大衆化を意味しているとすれば、生豆の輸入量の急増は、中国の消費者がコーヒーの品質や風味へのこだわりを強めていることを示している。

 貿易会社、上海五金鉱産発展の生豆仕入れ担当者は、同社の生豆輸入は中南米が最大の輸入先となっており、国別ではブラジルが首位、コロンビアが2位だと説明した。またここ数年は、グアテマラ産のコーヒー豆への関心が非常に高まっていると述べた。

 中国でコーヒー市場が発展した背景には、主流消費者層が生んだ大きな需要がある。大手会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツの中国法人、デロイト中国は「中国挽き立てコーヒー業界白書」で、中国の一線都市(北京、上海、広州<Guangzhou>、深圳<Shenzhen>の4都市)と二線都市(省都など地方の中核都市)でのコーヒーの普及率が67%に達し、消費者の多くは20~40歳の一線都市のホワイトカラーが占めていると指摘している。(c)Xinhua News/AFPBB News