【6月23日 AFP】国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」は22日、ウクライナの報道写真家が3月、ロシア兵によって殺害されたと発表した。拷問を受けた可能性もあるとしている。

 殺害されたのはマクス・レビン(Maks Levin)さん。仏パリに拠点を置くRSFはこの件について調査するため、5月下旬から6月にかけてウクライナに調査チームを派遣していた。

 レビンさんの遺体は4月1日、首都キーウから北西に約20キロ離れた集落モシチュン(Moshchun)の外れにある森で、友人で兵士のオレクシー・チェルニショフ(Oleksiy Chernyshov)さんの遺体と共に発見された。チェルニショフさんの遺体は焼かれていた。

 レビンさんは激しい戦闘が行われている地域でウクライナ兵に同行。3月13日以降、チェルニショフさんと共に行方が分からなくなっていた。

 RSFは報告書で「収集した証拠によると、マクス・レビンさんと友人は行方不明となった日にロシア兵から恐らく尋問・拷問を受け、その後、残酷な方法で処刑されたようだ」と指摘した。

 調査チームによれば、現場からはロシア軍が使用している弾丸が発見された。食べ物の包みやスプーン、たばこの箱、ロケット弾の使用説明書など、ロシア軍の存在を示唆する証拠も見つかった。

 RSFはレビンさんの殺害に関し、オランダ・ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(ICC)に提訴する意向だとAFPに述べた。

 現場で発見された重要証拠と写真はウクライナ当局に提出済みという。(c)AFP