【6月23日 AFP】男子ゴルフ米国ツアー(US PGA Tour)のジェイ・モナハン(Jay Monahan)コミッショナーは22日、サウジアラビアが後援する新リーグのリブゴルフ・インビテーショナル(LIV Golf Invitational)シリーズへの選手流出を防ぐため、日程をはじめとした大胆な改革を発表した。

 改革案は前日に流出していたが、モナハン氏はトラベラーズ選手権(Travelers Championship 2022)の開幕を控えて行われた記者会見で、その詳細を明らかにした。

 改革の内容は、2024年からシーズンをカレンダー通り1月開幕、12月閉幕に戻すことや、シーズン終盤に大会三つを新設することなどが含まれ、指定の八つの大会で少なくとも賞金を平均約2000万ドル(約27億円)まで大幅に増額するという。

 プレーオフの出場選手数も2023年から見直され、フェデックス・セントジュード選手権(FedEx St.Jude Championship)が70人、BMW選手権(BMW Championship)が50人、ツアー選手権(TOUR Championship)が30人になるという。

 今回の動きは、これまでで最大のリブゴルフへの対抗措置となった。今月開幕した同シリーズには、メジャー優勝経験を持つ米国勢のダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson)、フィル・ミケルソン(Phil Mickelson)、ブルックス・ケプカ(Brooks Koepka)をはじめ、世界ランキング上位50人のうち8人が参戦している。

 モナハン氏は、推定で総資産6200億ドル(約84兆円)のサウジアラビア政府系基金パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)から支援を受けるリブゴルフに金銭面では対抗できないとし、「私も無知ではない。もしこれが軍拡競争で、ドル札が唯一の武器だとすれば、PGAツアーは対抗できない」と話した。

「米国の機関であるPGAツアーは、金でゴルフを買うために何十億ドルも費やしている海外の君主国と競うことはできない」

「善良で健全な競争なら歓迎する。リブゴルフはそうではない。理性なき脅威だ。投資に対する見返りや競技の真の成長とは無関係なのだ」 (c)AFP