【6月21日 AFP】ロシア西部の飛び地カリーニングラード(Kaliningrad)州に接するリトアニアが、欧州連合(EU)の制裁対象となっている貨物を積んだ列車の国内通過を禁止したのを受けて、ロシア安全保障会議のニコライ・パトルシェフ(Nikolai Patrushev)書記は21日、リトアニアに対し、深刻な結果を伴うことになると警告した。

 ロシアの通信社が報じたところによると、パトルシェフ氏はカリーニングラード州で開かれた地域安保会議で、「ロシアはこうした敵対行為には必ず対応する」と述べ、「適切な措置が近いうちに講じられる」予定であり、「その結果はリトアニア国民に深刻な負の影響を及ぼす」と強調した。

 同日にはロシア外務省も、マルクス・エデラー(Markus Ederer)駐モスクワEU大使を呼び出し、本土とカリーニングラード州間の貨物輸送に対する「反ロシア的な制限」に抗議した。

 ロシアはリトアニアに対し、制限の即時解除を要求している。これに対し、EUおよび北大西洋条約機構(NATO)に加盟しているリトアニアは、ロシアによるウクライナ侵攻を受けたEU制裁の一環だと説明している。

 カリーニングラード州は、リトアニアとポーランドに挟まれ、バルト海(Baltic Sea)に面しており、ロシア本土からは完全に切り離されている。バルト艦隊の司令部があり、ロシアは同州に核弾頭を搭載可能な弾道ミサイル「イスカンデル(Iskander)」を配備していると主張している。(c)AFP