【6月21日 AFP】香港の観光名所として知られた水上レストラン「珍宝王国(ジャンボ・キングダム、Jumbo Kingdom)」が、南シナ海(South China Sea)で沈没した。レストランを所有する企業が20日、明らかにした。

 ジャンボはすでに閉店されており、14日に香港島南部の港からえい航されていた。

 ジャンボを所有する香港仔飲食企業(Aberdeen Restaurant Enterprises)によると、ジャンボは19日、西沙諸島(パラセル諸島、Paracel Islands)近海で悪天候に見舞われ、浸水し、転覆した。現場は水深1000メートル以上あり、引き揚げは極めて困難だという。

 同社は「非常に悲しい出来事だ」とコメントした。けが人はいなかった。

 ジャンボはここ10年経営難に陥っていた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により経営悪化が加速、20年3月に営業を停止した。

 ジャンボを運営していた新濠国際発展(Melco International Development)は先月、ジャンボが香港を離れ、新しい運営会社に引き渡されると発表していた。移転先は公表されていなかった。

 同社によると、2013年から利益が出ておらず、閉店後も膨大な維持費がかかっていた。10余りの企業や団体に無償譲渡を打診したがいずれも断られたという。(c)AFP