【6月21日 AFP】ウクライナ南部ザポリージャ(Zaporizhzhia)の工場で、自動車競技のラリー用の車を戦闘用に改造する作業が行われている。改造車は、ウクライナ軍がロシア軍と戦う前線へ送られる。

 作業員は、車のマフラーを交換し、競技用の装備を外し、内装を変えるなどして改造を進めていく。監督するのは、実業家のウォロディミル・タルホフ(Volodymyr Tarkhov)さん(32)だ。

 以前はグラスファイバー製の船やカヤックを作っていたというタルホフさんは、ロシアによるウクライナ侵攻開始後、友人と共に一般車約30台を軍事用に改造したという。

 地元の複数の実業家が支援を申し出ており、鋼材や車のパーツの購入費用を負担している。

 工場ではこの日、「戦闘用バギー」への改造作業が行われていた。ウクライナ人のラリードライバーが使用していたロシアの「ラーダ(Lada)」のエンジンを搭載している。

 ドアを外し、走行音を抑えたほか、機関銃での射撃を想定してフロントに大きな開口部を設けた。このバギーは「とても速くて運転しやすい」と、兵士から好評だという。

 改造車両を点検するため工場を訪れた兵士の一人は、前線部隊用の車両は不足しており、部隊が現在使用している車両の多くは有志から提供を受けたものだと話した。

 兵士はこの「戦闘用バギー」について、全方向に銃撃が可能である点を評価し、「きょう納車され、前線基地へ届ける」と語った。 (c)AFP/Marina Moyseyenko