【6月20日 CGTN Japanese】中国気象局によれば、国家大気バックグラウンド観測所の建設では、現存する7カ所と間もなく南部の広東省(Guangdong)で完成する1カ所に加えて、2021-2025年の「第14次5カ年計画」期間中には新たに東部の膠東半島、中部の黄淮地域(黄河と淮河に挟まれた地域)、南西部の四川盆地などに8カ所が設置されます。これにより、気候システムの観測に重要な16地域がカバーされるとのことです。

 大気バックグラウンド観測所では、温室効果ガスやオゾンなどの高反応性の気体、エーロゾル、太陽放射など数十の指標を観測しており、観測結果は人為的な汚染からの影響を直接受けていない混合状態の大気のマクロ的平均数値を記録しています。

「第14次5カ年計画」の期間は、中国が2030年をめどに目指している「二酸化炭素排出のピークアウト」にとって重要な時期です。気候システムの観測ニーズに合わせ、中国気象局は環渤海地域の陸・海上の大気、黄淮地域の耕作地の生態、四川盆地の環境、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)のシリンゴル草原、甘粛省(Gansu)の敦煌の砂漠における陸上大気や、青海チベット高原における大気状態の推移を調べるために、大気バックグラウンド観測所8カ所を新たに設置します。それにより、大気と温室効果ガスのバックグラウンド濃度のネットワーク化した観測能力を高め、2030年までにカーボン・ピークアウトを、2060年までにカーボン・ニュートラルを実現させる戦略決定の実現を目指すとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News