【6月20日 AFP】ドイツ政府は19日、ロシア産天然ガスの供給減少と国内のエネルギー需要に対応するため、石炭利用の拡大を含む緊急対策を講じると発表した。

 ロシア国営のガス大手ガスプロム(Gazprom)が先週、欧州へのガス供給を大幅に削減すると警告したことを受けたもの。

 ガスプロムは供給削減の理由について、ロシア産ガスをドイツに輸送するパイプライン「ノルドストリーム(Nord Stream)」の修復作業に伴うものと説明しているが、欧州連合(EU)当局は、ウクライナの支援国に対する報復とみている。

 ドイツの経済・気候保護省は「ガス需要を縮小させるには発電用のガス使用を減らす必要がある。その代替として石炭火力発電所への依存を高めることになる」と説明した。

 ドイツ政府は2030年までに石炭使用を段階的に削減する目標を掲げているが、方針を転換することになる。

 ドイツのガス需要に占めるロシア産天然ガスの割合はウクライナ侵攻前の55%から現在は35%に低下。それを埋め合わせるため、ノルウェーやオランダなどからの調達を拡大するとともに、液化天然ガス(LNG)の輸入を増やしている。(c)AFP