【6月20日 AFP】フランス国民議会(下院、定数577)の決選投票が19日に行われ、左派連合と極右勢力の躍進を受けてエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の与党連合(中道)は過半数を大幅に割り込み、245議席にとどまった。マクロン氏の2期目の政権運営にとって大きな打撃となった。

 内務省発表に基づくAFPの集計では、急進左派のジャンリュック・メランション(Jean-Luc Melenchon)氏率いる左派連合「NUPES」は135議席。極右のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏の「国民連合(RN)」は前回の8議席から89席に伸ばし、最大の右派勢力となった。

 マクロン氏は2期目に向け、減税、福祉制度改革、定年退職年齢の65歳への引き上げといった政策を掲げていたが、いずれも実現が危ぶまれている。

 左派紙リベラシオン(Liberation)はマクロン氏にとって「大きな痛手」になったと報道。今回の選挙結果は同氏の政権運営の「失敗」を意味すると評している。

 保健相や海洋相、環境相といった主要閣僚や側近も相次いで落選。マクロン氏は新たな連立交渉に着手するとみられ、政局の混乱は数週間続く可能性がある。(c)AFP