【6月19日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)広漢市(Guanghan)にある三星堆(Sanxingdui)遺跡の考古学研究チームは16日、同遺跡の8号祭祀(さいし)坑で新たに見つかった「頂尊蛇身銅人像」と、1986年に2号祭祀坑から出土した「青銅鳥脚人像」の残存部の結合に成功したと発表した。両者は3千年の「別離」を経て、「鳥足曲身頂尊神像」と呼ばれる本来の姿を取り戻した。専門家は想像力あふれる貴重な同文化財について、中国青銅文明の最高傑作とも言えると語った。

 鳥足曲身頂尊神像は、尊(そん、盛酒器)を頭に載せ、罍(らい、壺)の上に手をつき、鳥を踏みつけ、体を大きく反らすという難易度の高い姿勢をとっている。当時の祭祀の非常に重要な儀式と行為を反映しているという。5本の立ち髪を持つ造型は、三星堆遺跡でこれまでに出土した「辮髪(べんぱつ)銅人像」や「髻髪(けいはつ)銅人像」と異なる身分を持つ人々を表している可能性がある。

 四川省文物考古研究院三星堆考古研究所の冉宏林(Ran Honglin)所長は、異なる祭祀坑から出土した文化財の結合に成功したことについて、これまでの推測を裏付けており、今後の修復作業にも重要な指導的意義を持つと説明。三星堆の祭祀坑から出土した多くの器物が「家族」である可能性を示しており、今後どれほどの青銅器が結合できるのか期待する価値があると語った。

 頂尊蛇身銅人像は出土時に下半身を見つけることができなかった。今回の成功は、早い時期から複数の祭祀坑の器物が結合できる関係にあることを指摘していた専門家の研究によりもたらされた。36年前に出土した青銅鳥脚人像はすでに三星堆博物館で展示されていたが、博物館の公式サイトも同器物について、最も不可思議な器物であり、これほど素晴らしい器物の上半身が欠けているのは極めて残念だと記載していた。

 冉氏は、二つの青銅器の結合は2号祭祀坑と8号祭祀坑が同時期に作られ、しかも埋める前に一つの器物を別々にしていたことを説明していると指摘。複数の祭祀坑の年代関係や器物の破壊理由、当時の社会背景などを知る上で重要な価値を持つとの見方を示した。

 同遺跡の研究は現在も続いている。考古学者はパズルのピースを探すのと同じように、古代三星堆王国の本当の姿を一歩ずつ明らかにしていく。(c)Xinhua News/AFPBB News