【6月18日 AFP】英政府は17日、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者で、英国で拘束されているジュリアン・アサンジ(Julian Assange)被告(50)の米国への身柄引き渡しを承認した。被告の支持者は反発。弁護人は異議を申し立てる意向を示している。

 アサンジ被告は、2010年にウィキリークスがアフガニスタンやイラクでの軍事行動に関する機密文書50万点を公開したことをめぐり、米国で起訴されており、裁判で有罪になれば最高で175年の禁錮刑を言い渡される可能性がある。

 英内務省は、プリティ・パテル(Priti Patel)内相が引き渡しを承認したと発表。アサンジ被告には14日間の異議申し立て期間が与えられるとした。

 ウィキリークスは英政府の決定について、「報道の自由と英国の民主主義における暗黒の日」だと非難。今年3月に同被告と結婚したステラ(Stella Assange)さんは記者会見し、「これは終わりではない。私たちは闘う。すべての異議申し立て手段を使用する」と言明した。

 アサンジ被告の弁護人は、英裁判所のほか、必要であれば欧州人権裁判所(European Court of Human Rights)にも申し立てを行う意向を表明。ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領に起訴を取り下げるよう求めたほか、被告の出身国オーストラリアの政府に対し被告の釈放を要請するよう呼び掛けた。

 法律専門家によると、アサンジ被告が異議を申し立てた場合、数か月に及ぶ法廷闘争に発展する可能性がある。(c)AFP/Phil HAZLEWOOD, Jitendra JOSHI