【6月17日 AFP】フランスの天然ガス輸送網を運営するGRTガス(GRTgaz)は17日、ロシアから15日以降、パイプライン経由で天然ガスを受け取っていないと明らかにした。ロシア国営天然ガス企業ガスプロム(Gazprom)は今週、欧州への供給を大幅に削減すると発表していた。

 ガスプロムは、ロシア産の天然ガスをドイツに輸送するパイプライン「ノルドストリーム(Nord Stream)」経由の供給削減は、設備の修繕が理由と説明している。だが欧州当局者は、ロシアが侵攻したウクライナを支援する国々に対する懲罰的な措置とみている。

 フランスは、ロシアからドイツ経由で自国消費の17%前後に相当する量の天然ガス供給を受けている。すでに年初から供給は60%削減されており、ガス価格が高騰している。

 GRTガスは、平時よりも備蓄量を増やしており、現時点での供給に懸念はないとしている。ロシアのウクライナ侵攻後、フランスや他の国々は、スペインを経由したパイプラインを通じて天然ガスの輸入を増やしているほか、船舶を使った液化天然ガス(LNG)の購入も拡大している。

 フィンランドの研究機関「エネルギー・クリーンエア研究センター(CREA)」が今週公表した報告書によると、フランスで消費されるLNGの多くがロシア産で、フランスはロシアにとって最大の輸入国の一つになっている。(c)AFP