【6月17日 AFP】国際自動車連盟(FIA)は16日、今季のフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で多くの選手を苦しめ続けている「ポーポイズ」現象を軽減するための「措置」として、医師からの忠告を受け、安全面に介入すると発表した。

 12日に行われた22F1第8戦のアゼルバイジャンGP(Azerbaijan Grand Prix 2022)決勝では、7度の年間王者に輝いたメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が激しい背中の痛みでマシンから降りるのに苦労し、アルファタウリ(AlphaTauri)のピエール・ガスリー(Pierre Gasly)も、今季のグラウンドエフェクトカーが変更されないままなら、将来的には「つえをついて歩く」必要があるかもしれないと警告していた。

 またしてもバンピーかつ高速で、危険性もはらむ市街地コースの側面も持つサーキットで行われる今週末の第9戦カナダGP(Canadian Grand Prix 2022)に向け、各チームやドライバーが現地入りする中、FIAはその意向を明かした。

 この発表は歓迎されると思われているものの、チームやドライバーを満足させたり、痛みに苦しみ、最もパフォーマンスを落としている人が求めるような刷新につながったりする可能性は低い。

 2度の年間優勝を誇るアルピーヌ(Alpine)のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)は、全てのチームはさまざまな見解や利害を持ち、変更に同意することはなさそうなため、進展は望めないと話している。

 技術面に関する今年の新レギュレーションによって大幅に変更されたフロアの設計により、マシンが高速時に上下に揺れる「ポーポイズ」現象は、シーズンを通しての問題となっている。(c)AFP