【6月16日 CGTN Japanese】中国南西部の四川省(Sichuan)にある三星堆(Sanxingdui)遺跡では、研究チームがさまざまな新技術を駆使して発掘調査を進めています。これによって文化財の発掘、保存と復元作業は一層精緻かつ便利に行われています。

 測量とマッピング作業において、研究チームは科学的な研究や公開展示などに使える高精度3D模型を作成するため、高精度のレーザー・トータルステーションと3次元レーザースキャン技術を使用しています。

 三星堆遺跡では大量の象牙が出土していますが、その多くは数千年にわたって地下に埋もれていたため、非常にもろくなっています。研究チームは象牙を安全に発掘するため、軽量な高分子材料で象牙を包んだ後に穴から取り出し、半冷凍の状態で三星堆博物館に設置された冷凍庫に保存しています。これによって象牙に含まれている遺伝子や他のタンパク質の情報を長期間保存することができます。出土した青銅器は、低酸素、低温の状態で保存されています。

 今回の発掘作業では、祭祀(さいし)エリア8号坑から出土した青銅器の破片だけでも5000片を超えており、研究者はコンピュータービジョンの技術を使ってこれらの破片を完全な青銅器に復元しています。コンピュータービジョン技術は破片の断面の模様や色などを比較することで、5000以上の小さな破片を数十の大きな断片に接合し、文化財復元の効率を大幅に向上させています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News