【6月16日 AFP】全米ゴルフ協会(USGA)のマイク・ワン(Mike Whan)最高経営責任者(CEO)は15日、サウジアラビアが後援する新リーグ、リブゴルフ・インビテーショナル(LIV Golf Invitational)シリーズの選手が、今後の全米オープン選手権(US Open Championship)に出場するのは難しくなると予想はできるものの、何も決まっていないと述べた。

 米ツアー(US PGA Tour)とリブゴルフ・シリーズに参戦するスターが共に出場する第122回全米オープン(2022 US Open Championship)の開幕を翌日に控え、ワンCEOはゴルフ界の分裂に悲しさはあるものの、将来的な出場禁止の可能性については言及しないとコメントした。

「異なることをしている何人かが全米オープンに出場するのが難しくなる日を思い描けるか、というのが問題になるが、私としては想像できる」と語ったワンCEOは、「それがどんな日になるか知っているか? いや、分からない」と続けた。

 米ツアーは、前週英国で行われたリブゴルフ・シリーズ開幕戦に出場したフィル・ミケルソン(Phil Mickelson、米国)やダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson、米国)ら新旧17人の会員に対し、無期限の資格停止処分を科した。

 しかしUSGAは前週、マサチューセッツ州ブルックライン(Brookline)のザ・カントリークラブ(The Country Club)で開幕する今年の全米オープンについて、高額賞金を追って新リーグに参戦した選手を締め出すのではなく、すでに決まっていた出場基準を変更しないと決めた。この決定は、米ツアーのコミッショナーを務めるジェイ・モナハン(Jay Monahan)氏に相談せずに下されたものだった。

 ワンCEOは「全員が同意することはない難しい決断を下さねばならなかった」と語った。

「限りなく少ない大会で選手がより多くの賞金を得たいというなら、それも選択肢だし素晴らしいことだと理解している。だが、それがゴルフ界の将来にとって何を意味するのか? まだ分からないと思う」

 リブゴルフ・シリーズに参加した選手の出場を禁じなかったことを正当化する上でワンCEOは、同じくサウジアラビアが後援した今年のDPワールドツアー(DP World Tour、欧州ツアー)で米ツアーに参戦する30人の出場が認められたことに言及した。

 ワンCEOは「腰を据えてじっくり協議した」としつつ、「どこでプレーしているか、どのプロモーターと一緒にプレーしたかで、この大会への出場資格を停止にするか? それは違うとわれわれは決めた」と付け加えた。

 USGAは、来年も同様に出場基準を再検討するという。(c)AFP/Jim SLATER